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エスカレーターのこと [ぶつぶつ]

最近東京駅で、エスカレーターの乗り方について案内が流れています。

「エスカレーターに乗る際には、ベルトを持ち、黄色い線の中に立つように」と、至極当たり前のアナウンスに続いて「右側を空けずに両側に立って」と続きます。さらには「社員が右側に立って歩けないようにします」と、ずいぶん乱暴な脅し文句もつけてあります。そこら中にポスターも貼ってあって、かなり力を入れているみたいです。

これ、いったい誰が言い出したんでしょうかね。 

混雑したエスカレーターであっても、下に列を作って片側を空けるのは、急ぐ人への思いやり、気遣いです。日本人ならではの「おもてなし」の心でしょう。

他人への思いやりを否定するような提案でありながら、「みんなが安心して」とか弱者優先の美辞麗句にすり替えているところが大嫌いです。子供と並んで手を繋がないと危ないって、一人で乗れない子供を連れてエスカレーターに乗るほうが危険でしょう。

狭い路地での「傘かしげ」のような美しい仕草を否定し、「この道は狭くて、すれ違う時に濡れるのはいやだから、交互にど真ん中を通行させろ」と主張しているようなものです。

うれしいことに、ここ何週間も同じ放送が流れていますが、誰も従わず、ちゃんと片側を空けて急ぐ人を通してあげています。

これ、最近よく聞く「ベビーカー論争」にも通じるものがあります。

弱者と言われる人への気遣いは大切ですが、それに対して恐縮と感謝で接していれば大きな問題にはなりません。弱者と言われる人でも、気遣いを当然の権利として声高々に要求すると、反発を買う。

当たり前ですね。

 

エスカレータ.jpg