ブドウ届く [ぶつぶつ]
毎年、この時期になると、仕事でお付き合いのあった人からブドウが届く。
山梨県の石和温泉の近くで、小さな工場を経営している人だ。会社に入ってすぐからのお付き合いなので、もう30年近くになる。仕事でお世話になっていたのは最初の15年ほどで、その後は取引もないのだけれど、毎年、律儀にブドウを送ってくれるのだ。
以前は自分のブドウ畑を持っていて、そこで収穫したものを送ってくれていたが、年齢のことや、なんやかんやで、だいぶ前に手放したと聞いた。それでも近くの親戚か知人が作ったものを送ってくれる。
お礼の電話をする度、「手間だし、もういいですよ」と言うのだが、「こんなもの、大したものじゃないから、気にせんでいいわ。ブドウが届くうちは、元気だっちゅうことだわ。」となる。
そして、この時期になると、何となく、「そろそろかな」という気になっている、自分がいる。
今年も大きなブドウが6房届いた。いつもの「甲斐路」だ。去年より大粒で、瑞々しく、甘みも強い。
冷蔵庫で冷やして、毎晩ちょっとづつ、頂く。
どこにでも売っているブドウだし、巨峰やピオーネではないのだけれど、やっぱり、このブドウは格別な味がする。