SSブログ

イケ婿だとさ [ぶつぶつ]

だいぶ前になるが、たまたま朝のNHKニュースを見ていた時に、今時の結婚式の話題があった。

最近の結婚式では新郎が色々な役回りを演じて、式を盛り上げるらしい。お色直しもして、余興の出し物まで参加するというのだから、昔のように壇上に座ってお酌をされていれば済むという訳にはいかない。そもそも当日だけでなく、結婚式場選びから、衣装、式次第まで、何でも一緒に決めて、準備をし、当日を迎えるらしい。そうした新郎を「イケてる花婿」、略して「イケ婿」と呼び、持てはやされているのだそうな。

それはそれで本人達のご自由、勝手にどうぞと思うのだが、気になったのが、インタビューの中で出てきた「夫婦は対等に何でも分担しあって一緒にやるものだから、当然です」という言葉だ。これからの夫婦は、お互いが対等に、仕事も、家事も、子育ても、何でも半分づつ、お互いが分担し合っていくのが理想なのだそうだ。

本当にそうかい?

対等というのは、何でも半分づつ分担し合わないと成立しないのかな。お互いが何でも同じ事をできるのなら、別に一緒にいる必要はないんじゃないか。自分には出来ないことを相手が出来る、相手が出来ないことを自分が出来る。だからお互いが必要になる。

男女の生物学的な差異だけに目を向けるつもりはないが、性差によって、出来ること出来ないことがあるのは事実で、それを否定して、男女がなんでもお互いに分担しあうのが平等な社会だというのは、30年前に流行った「ジェンダーフリー」思想そのものだ。

「イケ婿」は、結婚式に協力的でなかった男子を目覚めさせようという意図なのだろうが、「なんでも対等に」と言いだした途端、ちょっと優しくなった男性の脇の甘さにつけ込んで、議論をすり替えているような、居心地の悪さを感じる。

まあ、「イケ婿」という言葉も、飽和状態のブライダル産業が話題を狙って作った造語で、しばらくすれば、また別のフレーズが出てくるのだろうから、あまり熱くなる必要はないのかもしれないが、

よーく考えたまえ、適齢期の男女諸君。

 

イケ婿.jpg