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東京駅舎改築 [ぶつぶつ]

昼休みに食事に出た時に、ふと見上げると、東京駅の新しい駅舎が目に入った。 

ここ何年も改築工事が続けられていて、今年の秋には完成して、お披露目されるらしい。

平成19年から工事に取り掛かったというから、足掛け5年の大工事だ。戦争で焼け落ちたドーム屋根を復活し、大正3年に創建された当時の、東洋一と言われた雄姿が再建されている。

写真は駅舎の両翼にあたる部分のドーム屋根だ。1ヶ月ほど前に銅板が葺かれた時にはキラキラと輝いていたが、表面が錆びて、落ち着いた銅褐色になっている。条件によっては、緑青にまでなるのか良く分からないが、文明開化の象徴として、明治時代の文豪、夏目漱石や森鴎外が眺めた駅舎が100年経って再びお目見えすることになる。

京都や奈良、地方にいけば、神社仏閣などで昔の日本に思いを馳せることができるが、明治以降の文明開化の名残は、大戦でほとんどが破壊され、消え失せてしまった。

懐古趣味と言われればそれまでだが、最近の社会の閉塞感も、逞しく近代文明が花開いた明治から大正の頃の、こうした近代の歴史遺産の再建を後押ししている。

 

東京駅舎.jpg