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JL401便 [番外編]

海外出張のお決まりは機内の様子からだ。

定刻出発で離陸し、約30分でシートベルトサインが消えた。今日は冬型の気圧配置も強くないのか、上空でも揺れが少ない。富士山を左手に見ながら日本海に抜け、そのままロシアを通る北ルートでロンドン・ヒースロー空港を目指す。

シートベルトサインが消えると、シャンパンとおつまみが出てきて、その後、ランチになる。洋食のアミューズはフォアグラ、あん肝、ズワイガニ、ユリ根などの葛寄せ。オードブルはサラダのように見えるが、中にブリのお刺身が入っていて、ソースはオリーブオイルと柚子の絞り汁だ。メインは、トリュフの載ったハンバーグ。下に敷かれたポテトと半熟温泉卵と一緒に食べる趣向だ。最後はコーヒームースのデザート。

今回一番美味しかったのはオードブル。真黄色のオリーブオイルに絡めた柚子風味のブリが、とても美味だった。ハンバーグも、まあ、美味しかったのだけれど、トリュフの香りがほとんど分からなかったのが残念。食べ慣れないこちらの問題だったかもしれないけど。

そして、そのオードブルよりも美味しかったのは、ボルドーの赤ワイン「SIRIUS」。フルボディーでありながら、まろやかで食事の邪魔をしない、見事なワインだった。確か前回か前々回も飲んだ気がして、昔のブログを見てみたら、ちょうど1年前のアメリカ行きの時に「SIRIUS」が出ていた。でも、その時は全く駄目で、すぐに替えてもらったとある。こちらの舌のレベルの問題か、収穫年が違うのか、あるいは保管方法の問題か。でも、確かに今回は美味しかった。

映画は水平飛行に入ってすぐに見始め、「アルゴ」、「のぼうの城」、「モンスター・ホテル」、「ツナグ」、「グッモーエビアン」の5本を見た。今回はどれも面白かったが、順番をつけるなら、「ツナグ」が一番か。「アルゴ」も「のぼうの城」も実話に基づくというところが強みだが、「ツナグ」はフィクションでありながら、でも、ありそうな話だったのが面白い。出てくる3つの話が、どれも涙を誘い、最後には主人公の両親の死の謎解きもあって、なかなかの作品だった。八千草薫、樹木希林といった名女優が脇を締めているのも良かった。意外に面白かったのは「グッモーエビアン」。大泉洋が良いキャラクターを出していた。このタイトル、何のことかと思ったら「Good morning, everyone!」からきているのだが、笑わせながら、ちょっとほろっとさせる、佳作だった。

やはり、最近は日本映画が頑張っている。

その後、定刻より30分以上早くロンドンまで来たものの、ヒースロー空港の混雑が原因で、45分の上空待機となり、結局、定刻過ぎの到着となった。乗り継ぎのBA便も出発遅れで、ホテルに到着したのは日本時間の朝5時。24時間の旅だった。

機中で寝れば良いのだけれど、「飲む」「食う」「観る」の誘惑に負け、いつも赤い目をしてホテルに入ることになる。そして、疲れているのに時差ぼけで眠気に襲われないことをいいことに、こうしてブログを書いている。

明日の会議が心配だ。

 

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