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立川談春 もとのその一 [十ノ原]

人生初めて、落語の寄席に行ってきました。

立川談春さんの独演落語会です。

18歳で立川談志に弟子入りし、30年。弟子入りを決意させた「芝浜」を演じた時の師匠の年齢が48歳で、自分がその歳になった時に区切りの意味で独演会をやりたいと思っていたそうです。

タイトルの「もとのその一」とは、千利休の言葉で、

「稽古とは 一より習ひ 十を知り 十よりかへる もとのその一」

から取っているそうです。不勉強でしたが、十を学んで元に戻って最初から学び直すことの大切さを説いたものだそうで、芸の道に生きる人だけでなく、普通の人にもなるほどと思わせる含蓄のある言葉です。

寄席に一度も行ったことが無かったので、どんな作法なのか知りませんでしたが、演目は前座、二つ目、真打と3つからなり、独演会ですから、これをすべて一人でこなします。6月から各地で公演を行っていて、場所によって内容は少しずつ異なるようですが、今回の演目は、前座が「子ほめ」、二つ目が「家見舞」、真打が「蒟蒻問答」でした。どれも古典のようで、あらすじはネットで調べられます。

それぞれの枕には、最近出演したテレビドラマの話や、亡くなった師匠の逸話などを漫談風に挟み、観衆の心を掴んでから落語に引き込むテクニックはさすがです。自身が言ってましたが、一人で前座、二つ目、真打を演じ分けることが難しく、特に前座は、前座らしく演じては馬鹿にされるし、真打が演じる前座と見えても鼻につく。そこらあたりの加減が難しいのだそうです。確かに生の落語を初めて見る私の目にも、最後の真打「蒟蒻問答」は演技、声、眼力までも、「落語とはこういうものか」と思わせる迫力がありましたが、前座の「子ほめ」は何となくペースを計っているような様子見の感がありました。生意気ですけど。

ともかくも、面白いものを見せて頂きました。

最後の口上で、今後長野との付き合いも増えるようなお話がありましたし、また機会があれば寄って観たいと思わせる「寄席」でした。

 

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