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靴みがき屋さん [ぶつぶつ]

東京駅の八重洲地下街に、昨年末にオープンしたお店です。

店の前にある値段表を見ると、通常の磨きが10分で1,080円、ケアも含めた20分コースが2,160円、脱臭や皮底ケアまで含めた30分コースが3,240円となっています。さらにはお預かりで2,160円から3,240円の各種コースが設定されています。

普段から自分で靴を磨いている身としては、「どうしてこんな高額で」という値段設定ですが、そもそも私の中では、「靴磨き」には「貧しさ」という言葉がついてまわるのです。

子供の頃のニュースで、戦後の焼け野原で逞しく生きる孤児たちが靴磨きで日銭を稼ぐ姿や、靴磨きの歌が流行っていたことを見たからでしょうか。

大好きだったテレビのウルトラQの「地底超特急西へ!」という話では、貧しいけれど元気な靴磨きの少年が試乗車にもぐりこみ、最後は怪獣と一緒に宇宙に飛び出して、地球の周りを廻ってしまうという、なんとも悲しい結末だったことを鮮明に覚えています。

「靴磨き」というと、どうしても貧しさを連想してしまうのは、こうした幼少期の記憶のせいかもしれません。

今回オープンしたお店でも、床より一段高い位置に椅子が置いてあります。それは磨き手が作業しやすいためなのでしょうが、アメリカの空港でも凄く豪華なイスの靴磨きを見かけますね。でも王様のように、高い位置の豪華なイスに座って他人に靴を磨かせるというのは、どうも自分には気が引けてしまいます。

最近は十万円以上もする高価な靴が売れてるそうですし、そうした靴をプロの手で手入れしてもらうというのは、ありなのかもしれません。一流の「靴磨き職人」は、こだわりの道具やワックスを使い、一流のテクニックで、自信を持って「靴磨き」を生業としていて、そうした人の仕事を「貧しさ」の象徴のように見るのは失礼なのかもしれません。

まあ、私としては、「靴磨き」が好きですし、数千円を払って人にお願いするくらいなら、道具も揃えて自分で技を磨きます。それに、単調な作業というのは、考え事をしたり、気分の切り替えには、なかなか良いものです。ジョギングにも通じるものがありますしね。

「洗いものにも通じる」とまで言うと、家内から怒られそうですが。 

 

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