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富士山 2012 リベンジ 後編 [ぶつぶつ]

富士山登山の続きだ。

富士山の山頂には火口があって、その周りの山頂部分を一周することを「お鉢めぐり」という。火口を覗くと深さは200m以上あって、一部には残雪が残っている。この荒々しい火口の直径は約780mで、一周すると約3kmになる。かなりアップダウンがあって、須走口ルートの登り行程が7.8kmであることを考えても、お鉢めぐりをするのは、かなりハードだ。特に最高地点の剣ヶ峰に登る部分は馬の背と呼ばれ、一番の急こう配になる。火口の写真でちょうど残雪の上、正面の一番上が剣ヶ峰になる。こうして見ても、ずいぶんと遠く、また高いところにある。

久須志神社の近くの東京屋さんを12時30分に出ると、すぐに須走口への下山ルートがある。火口をぐるっと一周して、ここまで戻ってから下山することになる。さすがに山頂部だけあって、風が強く、寒さを感じる。まくっていた袖を延ばし、手袋をする。吹き飛ばされるほどではないが、慎重にルートを進む。狭いところだと数mで両側が急斜面で落ちている。

ゆるい上り下りをくり返し、30分ほどで御殿場ルートの頂上に合流する。ここから少し行くと富士宮ルートの頂上、浅間大社奥宮がある。その横にあるのは山頂郵便局だ。ここからはがきを出すと、登山証明書代わりになる消印を押してくれるのだ。500円でハガキを購入し、自分の住所を書いて投函した。1週間ほどで届くそうだ。

その後、いよいよ、最高峰の剣ヶ峰を目指す。もう目と鼻の先になるのだが、最後はかなりの急勾配だ。これを馬の背と呼ぶ。距離は200mほどで70m登るから斜度は20度近い。正に馬の背のように両側が切れ落ちているので、足を滑らせると落ちてしまいそうだ。慎重に足を進める。 

馬の背を登り終わると、いよいよ剣ヶ峰だ。あの富士山測候所があるところだ。今は常駐している人はいないようだが、まだ建物は立派に建っている。その脇にあるのが最高峰3776mの石碑だ。何人かの列が出来ていて、順番に写真撮影をしている。自然と次の人が撮影係を引き受けることになる。我々の番でも、先に撮っていた人が快くカメラを受け取って撮影してくれた。

念願の日本最高地点での記念写真だ。思わず皆、口元が緩んでいる。すばらしい達成感だ。

その後、左に折れて、お鉢回りを続ける。北側は登山道もなく、寒々とした風景だ。ちょうど天気も悪くなってきたようで、北側の斜面を雲が登ってきて、強い風とともに、南側に流れてゆく。急いで久須志神社まで戻らなければいけない。

この山頂の直径がおよそ800mということは、富士山を眺めた時の円錐台の上辺が800mあるということだ。誰もが富士山の絵を書く時に平らにする頂上の横棒の上を歩いたと思うと、遠く目にする富士山への思いも変わってくるから不思議だ。 

お鉢めぐりを始めてから、およそ2時間で須走口の下山道まで戻って来た。砂走りを下りる時のために両靴にスパッツをつける。と、ちょうど雨がぱらぱらと降り出したので、雨カッパも着込んで、準備完了だ。

14時30分に下山を開始すると、雨は小降りになったりするものの、やむことはなく、結局最後には土砂降りになった。でもおかげで砂走りを下る時にもそれほど砂埃が立たず、口を覆う必要はなかった。登りが2時間かかった本8合目まで25分で下りて来れたから、かなりの速度だ。須走口の砂走りは、前の人がつけた砂の跡を見ながら、盛り上がった部分にかかとを強めに落とすのがコツだ。それには、少し歩幅を大きくして足を出すのが良い。うまくいくと着地した衝撃で前足が前方に流れ、一歩で一歩半くらい進むことが出来る。その時に後ろ足は路面の砂を削るように、靴先を地面に押し付けるとバランスが取りやすい。こうすると大またでスタスタと歩くことができる。飛び跳ねるように駆け下りていく若い輩もいるが、我々の年齢では無理だ。ちょっとバランスを崩すと転ぶし、須走口の砂走りには、こぶし大の石がたくさん入っているので、足をくじく心配もある。

こうして砂払い5合目に着いたのが16時20分。しばし休憩し、出発した須走口の5合目まで戻ったのがちょうど17時だった。最後はかなりの土砂降りで、登山道も雨が流れる状態だったが、3人とも怪我もなく、完遂できた。下りは2時間30分で下りたことになるから、かなりのハイペースだ。

しかも数台のタクシーが客待ちをしていたから、待つことなく麓の駐車場まで戻ることができた。

その後解散し、自宅に戻ったのが19時45分。長い一日だった。

折りしも、11日は72歳の人が8年間かけて1000回の富士山登山に成功した日だった。ちょうど13時に登頂を果たしたとあるから、我々の到着する少し前だった。簡単に1000回と言うが、5月から11月まで、ほぼ毎日登り続けないと達成できない偉業だ。富士宮から2時間半で登頂するというから、そのスピードにも驚く。この人は米寿まで登り続けたいそうだ。

僕には、とてもそんなことは出来ないだろうが、何か人々をひきつける富士山の魅力に触れた気がする一日だった。

早くも来年の計画かって?

いやいや、まだ考えていないが、近くに一緒に登ろうという友達が居れば、まんざらでもない。

やっぱり、富士は日本一の山なのだ。

 

お鉢.jpg

富士山ルート図.jpg

富士山剣ヶ峰.jpg


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