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救命救急講習会 [ぶつぶつ]

10月上旬に会社で救命救急講習会があり、参加してきました。

3時間、みっちりと救急法を教えていただきました。長文ですが、備忘録を兼ねて、心臓発作で倒れた人を見かけた際の処置を書いておきます。

突然、どこかで人が倒れた場所に居合わせたします。

1) まず、近寄る前に安全確認。倒れた原因によっては二次災害に会う可能性があるから。特に複数の人が倒れている場合は毒ガスなどの可能性があるので、むやみに近寄ってはいけない。

2) 安全が確認できたら、傷病者に駆け寄り、声をかける。心臓発作の場合は意識はない。肩をたたきながら、「どうしましたか? 大丈夫ですか? 」といった声を3度ほど、次第に声を大きくしながらかける。それでも反応がない場合は、すぐに周囲の人を呼ぶ。

3) 大きく両手を挙げて、「誰かいませんか? 手を貸してください! 」と人を集め、来た人に、「119番通報してください」、「AEDを探してきてください」、「人を集めてきてください」と依頼する。時刻を記憶する。

4) 傷病者が呼吸をしているかどうか、胸の動きを確認する。6つ数えるくらいの時間。胸が動いていない場合は、心臓発作を疑い、「胸骨圧迫」を行う。分からなかったり、迷ったら、ともかく行う。胸の真ん中、乳頭を結ぶ線の真ん中、少しくぼんだところに両掌の手首の近いところを重ねて置き、一分間に100回程度のスピードで圧迫する。腕を伸ばし、体重をかけるように押す。胸の厚さの1/3、約5cm程度が下がる程度で、感覚としては、かなり強く、速く押す感じ。

5) 1分間続けていると、かなり疲れる。近くに人がいたら、交代しながら圧迫を続ける。傷病者の反対側にしゃがんでもらい、胸部圧迫の体制を取ってもらう。「1、2、3」など、掛け声をかけて、タイミング良く交代する。

6) AEDが届いたら、ケースから取り出し、指示書に従って電気ショックをかける。パッドを右肩の鎖骨近くと、左脇腹近くに貼る。汗がついている場合は拭く。パッドから延びるケーブルを本体に接続すると、自動的に心室細動かどうかチェックするので、その間は傷病者の体に触れないで待つ。装置が電気ショック必要と判断すれば音声が流れるので、他の人が触れていないことを確認し、電気ショックのボタンを押す。電気ショックを行った時刻を記憶する。

7) ショックが終わったら胸骨圧迫を再開する。もし心臓が復帰して動き出し、意識が戻ってくれば、当人が反応するので、圧迫をやめる。反応がなかったら胸骨圧迫を続け、しばらくして、もう一度AEDを行う。当人が反応するまでは胸部圧迫を続ける。

8) 当人が手を動かして嫌がったりすれば蘇生した証拠。横を向かせて楽な姿勢にして救急隊を待つ。

9) 救急隊が到着したら、いつから倒れているか、胸部圧迫開始時刻、何度AEDを使ったかを伝え、引き継ぐ。

今の日本では心臓発作で亡くなる方が、年間7万5千人いるそうです。心停止して、1分経つ毎に10%づつ生存率が減ることから最初の5分の処置がとても重要です。

119番通報してから救急車が現場に到着するまでの平均時間は8.5分だそうですが、これは救急車が発車してから現場に到着するまでの時間で、通報処理や現場での移動時間は含んでいません。実際に傷病者のところへ救助隊員来るまでには、通報から十数分かかるのが普通だそうです。10分以上放置されたら、蘇生はほぼ不可能です。他の臓器はともかく、脳は蘇生しません。だからこそ、心停止したら、すぐに胸部圧迫で血液を送り続けることが重要なのです。

AEDは「心室細動」という心筋が痙攣している状態から、心臓のパルスを正常化するための電気ショックを体外から与えるものです。心停止すると心臓の筋肉へも酸素が送られないので心筋も壊死してしまいます。10分以上放置して、心筋が壊死してしまってからではAEDの効果はありません。あくまでも心臓が細動している間にショックを与えることが必要なのです。そのためにも心停止が起こったら、できるだけ早く胸骨圧迫を始めなければなりません。

以前は「人工呼吸」といって、口移しで空気を肺に送り込むことが胸部圧迫(昔は心臓マッサージと呼んでましたね)と組み合わされていましたが、今は必須ではないそうです。他人の口に口をつけることに抵抗があると同時に、そもそも肺に空気を送り込む効果があまりないことが分かってきたからだそうです。

なぜかというと、小さな子供は別として、ふつうの大人が突然倒れた場合、その時点で血液中には酸素が残っています。この酸素を使って15分間程度は体の中の細胞を生かすことができるのだそうです。だから、呼吸が止まっても胸部圧迫で血液を流してあげれば臓器は生き続けられます。むろん、溺れた人や窒息した人は倒れた段階で血液中の酸素が減ってしまっているので、人工呼吸が必要です。胸部圧迫30回に人工呼吸2回のペースで行うそうです。

また、突然目の前で人が倒れていたとしても、自分が何か処置をすることで、かえってその人を傷つける可能性で躊躇してしまう人もいるかもしれません。

でも、大丈夫。今の法律では、緊急時に人命救助を目的として善意で行った行為に対しては、たとえ過失があったとしても罰を受けることはありません。胸部圧迫を行って骨折させてしまったとか、胸部圧迫やAEDのやり方が悪くて、結果として命が救えなかった場合でも、救助者が責任を追及されることはありません。医師や看護師、救急救命士などは別だそうですが。

勇気を持って、ともかく駆け寄ることで、命が救えるかもしれません。 

 

AED認定証.jpg 


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