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通信簿 [ぶつぶつ]

家内の昔からの後輩が子供を連れてやって来た。

年に何回か家に来て、勉強の進捗状況を確認してあげているのだ。普段は野球少年で、勉強は野球の次だし、宿題を忘れて名前を貼り出されても、「名前が売れて結構!」と言っているつわものだ。

だが、家内に言わせると、ちゃんと理解力はあるし、順序立てて思考する力もあるから、頭は悪くないらしい。小さいころから野球ばかりやってきたから、勉強に興味がないのだろう。それはそれで問題なのだけれど。

だいたい、小学校の勉強は、運動でいえば基礎体力、基盤づくりのようなものだから、面白い訳がない。覚えることばかりだから、多少目先やアプローチの仕方を変えて、興味を持たせながらも、結局は詰め込むことになる。ゆとり教育というのは、耳当たりが良いが、要するに詰め込むことを後回しにしているだけのことだ。子供が、ネットで調べるといった、妙な知恵や姑息な手段が使える年齢になってしまうと、もはや単純な記憶という作業を忌み嫌うようになる。

「そんなこと一々覚えなくたって、調べりゃいいじゃん」と思っている人ほど、頭の中の引き出しが少ないから、順序立てた長い思考、思考の反芻ができない。最近、何でも白黒をつけたり、右か左かといった、短絡的な結論を持つ人が増えたことの一つに、ネットの普及といった背景があると僕は踏んでいる。

で、驚いたのが、その子の通信簿だ。

善し悪しは別として、なんと、評価欄が2つしかないのだ。

「だいたい出来ています」と、「もう少し頑張りましょう」の2つだ。少し文言は違っているかもしれないが、大体こんな内容だった。

何年か前から、学校の通知表は、相対評価から絶対評価に変わった。それはそれで理由があったのだろうが、それにしても、こんな荒っぽい基準でする絶対評価って、いったい何なんだろう。

学校や教員、それに親も、子供の学習到達度を評価することを、怖がっているか、避けているように思える。

だが、「だいたい」とか、「そこそこ」とか、「ちょっと良いくらいで十分」と思う限り、向上心は生まれない。

僕は、子供にとって、いや人間にとって、向上心は一番大切だと思うのだ。

 

あゆみ2.jpg


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